芸能界に入りたい、そうは思ったもの、自分が何をやりたいかというのが明確ではなかった。
考えてみれば得意なことが特になかった。
学校の成績は悪くもないが取り立ててよくもない。 クラブもやっていたが、いけて三回戦という感じであった。
クラブは陸上部だったが専門は400メートル、運動会の時に選手リレーに選ばれるがサッカー部の速いのに負けてしまうのであった。
ギターを買ってみたけれど、コードは3つしかおさえれない、Fコードをおさえられず挫折してしまいそのギターは捨てることもできず、部屋でしっかりスペースをとるのであった。
続く
2017年07月11日
2017年07月10日
真澄携帯小説2910話
安川は並んでいる一冊を手に取ってみた。
背表紙には「元弥さちこ リバーハウス」と書いてあった。
最初から読んでみる。
「川が近くにないのにリバーハウス、何故そんな名前がついたかわからないマンションに僕は住むことになる。
僕は徳島の片田舎から東京に出てきたのだ。
徳島の片田舎、東京からみるとだいぶ田舎になるのだろう。
東京に出てきた理由は、芸能界に入りたかったのだ。
プロ野球選手、芸人、アイドル、政治家、カリスマモデル、有名塾講師、なんでもいい芸能界に入りたかったのだ。
東京に出てきて気づいたのは芸能界という、そういう界、いや会は存在しないのだ、テレビの中にあるみんなが集まっている芸能界というものは存在しないのだ。
ただどうして芸能界に入りたいのだ。
続く
背表紙には「元弥さちこ リバーハウス」と書いてあった。
最初から読んでみる。
「川が近くにないのにリバーハウス、何故そんな名前がついたかわからないマンションに僕は住むことになる。
僕は徳島の片田舎から東京に出てきたのだ。
徳島の片田舎、東京からみるとだいぶ田舎になるのだろう。
東京に出てきた理由は、芸能界に入りたかったのだ。
プロ野球選手、芸人、アイドル、政治家、カリスマモデル、有名塾講師、なんでもいい芸能界に入りたかったのだ。
東京に出てきて気づいたのは芸能界という、そういう界、いや会は存在しないのだ、テレビの中にあるみんなが集まっている芸能界というものは存在しないのだ。
ただどうして芸能界に入りたいのだ。
続く
2017年07月09日
真澄携帯小説2909話
さちこさんはそんな安川の視線なんかおかまいなしに
「そこに並んでるの私が書いたの、良かったら読んでみて」
書斎に並んでいる本に目をやると背表紙に、元弥さちこという名前が記されていた。
さちこさんは、本気の作家なんだ、ひょっとするとこの大きな家を建てたのも印税というやつか、もっというと、こんなキャンピングカーでお酒と料理を作りにくる自分を普通の人が呼ぶわけがない、なるほどそうだったのかと、知らない道を歩いていて知っている道に出てきた時のような気分になった。
続く
「そこに並んでるの私が書いたの、良かったら読んでみて」
書斎に並んでいる本に目をやると背表紙に、元弥さちこという名前が記されていた。
さちこさんは、本気の作家なんだ、ひょっとするとこの大きな家を建てたのも印税というやつか、もっというと、こんなキャンピングカーでお酒と料理を作りにくる自分を普通の人が呼ぶわけがない、なるほどそうだったのかと、知らない道を歩いていて知っている道に出てきた時のような気分になった。
続く
2017年07月08日
真澄携帯小説2908
「いろんな本があるんですね」
安川は本が並んだ本棚を見る。
本を書くときに参考にされている本なのかもしれない。
眺めていくと
「そっちはみないでね」
どうやらそこは、さちこさんのプライベートな空間なのだろう。
そう言われるとみたくなるのである。
見たくて見たくて仕方ない。
振り向くついでに視点をわざとあわさないようにしながら、でも視界にいれるように見るのであった。
続く
安川は本が並んだ本棚を見る。
本を書くときに参考にされている本なのかもしれない。
眺めていくと
「そっちはみないでね」
どうやらそこは、さちこさんのプライベートな空間なのだろう。
そう言われるとみたくなるのである。
見たくて見たくて仕方ない。
振り向くついでに視点をわざとあわさないようにしながら、でも視界にいれるように見るのであった。
続く
2017年07月07日
真澄携帯小説2907
奥の部屋に通される。
その部屋には書斎のようであった。
机を見ると何枚か書かれた原稿用紙があった。
安川は思わず聞いてしまった。
「何か書かれているんですか?」
「そうね。書いてるわね」 「何を書いているんですか?」
「うーん、いろいろ書いているわよ。小説も書くし、エッセイもかくし、たまにビジネス書みたいな物も書くかな。持ち家が得か、賃貸が得かみたいな、そんな本も書くかな」
さちこさんはこの書斎でいろいろ書かれているらしい。
続く
その部屋には書斎のようであった。
机を見ると何枚か書かれた原稿用紙があった。
安川は思わず聞いてしまった。
「何か書かれているんですか?」
「そうね。書いてるわね」 「何を書いているんですか?」
「うーん、いろいろ書いているわよ。小説も書くし、エッセイもかくし、たまにビジネス書みたいな物も書くかな。持ち家が得か、賃貸が得かみたいな、そんな本も書くかな」
さちこさんはこの書斎でいろいろ書かれているらしい。
続く
2017年07月06日
真澄携帯小説2906
さちこさんの後をついていくのだが、さちこさんの後ろ姿が美しかった。
本当に美しい人は後ろも美しいんだと思った。
あと、さちこさんは自分のことを信頼してくれてるんだと思った。
後ろを見せるということは危険である。
背後をとられるとかそういう使い方をされるから、その背後をとらせるということは信頼を得るということだと思った。
さちこさんの後ろについて廊下をあるくのだった。 続く
本当に美しい人は後ろも美しいんだと思った。
あと、さちこさんは自分のことを信頼してくれてるんだと思った。
後ろを見せるということは危険である。
背後をとられるとかそういう使い方をされるから、その背後をとらせるということは信頼を得るということだと思った。
さちこさんの後ろについて廊下をあるくのだった。 続く
2017年07月05日
真澄携帯小説2905
さちこさんはそれを食した時に安川の目をじっとみて言った。
「あなたに見て貰いたいものがあるの」
「はい」
「ついてきてね」
大きな家のさらに奥に進む。
家は奥にまだだいぶ続いている。
京都の家はその間口の大きさによって税金をかけていたため、鰻の寝床といわれるように奥に長く作られている家が多い。
中に庭があったりする。 さちこさんの家も同じく中に庭があった。
その庭を通り、さちこさんの後をついていくのであった。
続く
「あなたに見て貰いたいものがあるの」
「はい」
「ついてきてね」
大きな家のさらに奥に進む。
家は奥にまだだいぶ続いている。
京都の家はその間口の大きさによって税金をかけていたため、鰻の寝床といわれるように奥に長く作られている家が多い。
中に庭があったりする。 さちこさんの家も同じく中に庭があった。
その庭を通り、さちこさんの後をついていくのであった。
続く
2017年07月04日
真澄携帯小説2904
この大根の酢漬けの一品を気に入ってくれたようだ。
次の一品はヒラメの刺身である。
ヒラメの刺身をポン酢で合わす。
合わすポン酢は大阪黒門にある老舗の河豚屋さんの自家製ポン酢である。
黒門に行った時に買いだめしておいたのである。
ヒラメをその黒門のポン酢でいただく。
そして京都の酒蔵の純米大吟醸で合わすのであった。
純米大吟醸は米と米こうじだけで発酵させたものであり、その中でも米の中心だけを使うという日本酒の高級なものである。
続く
次の一品はヒラメの刺身である。
ヒラメの刺身をポン酢で合わす。
合わすポン酢は大阪黒門にある老舗の河豚屋さんの自家製ポン酢である。
黒門に行った時に買いだめしておいたのである。
ヒラメをその黒門のポン酢でいただく。
そして京都の酒蔵の純米大吟醸で合わすのであった。
純米大吟醸は米と米こうじだけで発酵させたものであり、その中でも米の中心だけを使うという日本酒の高級なものである。
続く
2017年07月03日
真澄携帯小説2903
安川はさちこさんに提供する一品目を出した。
一品目は大根のいわゆる千枚漬けである。薄く切った大根を甘酢と唐辛子で漬け込んであるのである。
その大根の千枚漬けに京都の七味をふる。
この京都の七味は山椒が入ってある、その山椒がいい仕事をするのだ。
お酒は日本酒である。
純米酒の火入れをしていない生酒、水を足していない原酒を出す、その中でも搾った時に一番最初にとれる、あばらしりである。
白濁した色が特徴的である。
続く
一品目は大根のいわゆる千枚漬けである。薄く切った大根を甘酢と唐辛子で漬け込んであるのである。
その大根の千枚漬けに京都の七味をふる。
この京都の七味は山椒が入ってある、その山椒がいい仕事をするのだ。
お酒は日本酒である。
純米酒の火入れをしていない生酒、水を足していない原酒を出す、その中でも搾った時に一番最初にとれる、あばらしりである。
白濁した色が特徴的である。
続く
2017年07月02日
真澄携帯小説2902
安川は聞く。
「合わすのに、酒に料理を合わすのか、料理に酒を合わすのか、どっちがいいんですか?」
さちこさんは優しく答えてくれる。
「それはどっちでもいいのよ。ただ一番難しいのは、軸を合わすことで組み立てていくことよ。いわばドラマでいうとダブル主演みたいなものよ。かなり難しいけどこれが完璧ならとんでもなく美味しい料理になるのよ」
なるほどと安川は思うのであった。
続く
「合わすのに、酒に料理を合わすのか、料理に酒を合わすのか、どっちがいいんですか?」
さちこさんは優しく答えてくれる。
「それはどっちでもいいのよ。ただ一番難しいのは、軸を合わすことで組み立てていくことよ。いわばドラマでいうとダブル主演みたいなものよ。かなり難しいけどこれが完璧ならとんでもなく美味しい料理になるのよ」
なるほどと安川は思うのであった。
続く
2017年07月01日
真澄携帯小説2901
さちこさんは酒と料理の関係についても話してくれた。
料理を軸におき、お酒を合わせていく方法と、お酒を中心に料理を合わせていく方法があると思うの。
今日はこの刺身を食べたいと思いそこに日本酒を合わす、今日はこの日本酒が飲みたいと思いそこに刺身をあわす、同じ日本酒と刺身の組合わせだけども違うと思うの。
安川はなるほどと思うのであった。
続く
料理を軸におき、お酒を合わせていく方法と、お酒を中心に料理を合わせていく方法があると思うの。
今日はこの刺身を食べたいと思いそこに日本酒を合わす、今日はこの日本酒が飲みたいと思いそこに刺身をあわす、同じ日本酒と刺身の組合わせだけども違うと思うの。
安川はなるほどと思うのであった。
続く