2017年07月28日

真澄携帯小説2928話

とりあえず地上にあがる、とんでもない人の数である。
こんな沢山の人は祭りでしか見たことがなかった。 東京では毎日祭りが行われているのかとあせった。 金髪のミュージシャンが歌を歌っている。
路上パフォーマンスである。
それに対して何のリアクションもせずに人が通りすぎている。
自分のこと以外に興味がないのかと思うぐらい素通りである。
マシンのように目的地に向かう人、こうへいはこんな街に馴染めるのか不安で仕方なかった。
続く
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2017年07月27日

真澄携帯小説2927話

新宿、駅そのものが大きい、いろんな路線が集まるターミナル駅になっている。
そして駅に店がある。
どこまでが駅かどこまでが店かもわからない。
外に出て全体を把握しようとするのだが、ビルが高いために全体を把握しきれない。
今まで方向音痴の人の気持ちがわからなかった。
山を目印にすればいいし、迷いそうなら川沿いに歩けばいい、そう思っていた。
しかしそのやり方では通用しないことを新宿のビルの谷間で痛感するのであった。
続く
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2017年07月26日

真澄携帯小説2926話

上野をあとにして山手線に乗る。
山手線の駅を見ると聞いたことある名前ばかりだった。
その中でも新宿という名前が一番頭に残っていた。 その新宿で降りることにした。
もっと早くいけるルートがあるのだろうが、なれてない僕からするとそれが一番分かりやすかった。
「新宿、新宿」
というアナウンスが流れた。
降りてみるがその大きさと複雑さに戸惑った。
新宿といってもどこにいけばいいのだろうか。
続く
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2017年07月25日

真澄携帯小説2925話

パンダを見たあと公園のボートに乗ることにした。 平日の昼間で並ぶことなくボートにのれる。
他を見渡すとカップルが二、三組いるぐらいだった。
一人でボートを漕ぐ。
重いとも軽いとも感じなかった。
ただ自分の体重を自分で移動させているだけである。
昔にその当時付き合っていた彼女をのせて漕いだ重さはまったく感じなかった。
その腕の軽さが虚しく感じるのであった。
続く
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2017年07月24日

真澄携帯小説2924話

西郷さんの銅像の前から動物園の方に向かった。
上野動物園、これが上野動物園か、こうへいはテンションがあがった。
パンダがいる、そこでパンダを見に行くことにした。
平日ということで比較的スムーズに見ることができた。
イメージは、タイヤで遊んだりしてるのかと思いきや、ウトウトとお昼寝をしていた。しかも向こうを向きながら。
こうへいは人生初のパンダを見た、いや正確にいうとパンダの背中を見た。 続く
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2017年07月23日

真澄携帯小説2923話

こうへいは東京駅から上野に向かう。
なぜ上野か、特に理由はなかったが、東京といえば上野かなと思ったのだ。
上野につき、西郷さんの銅像の前にたつ。
観光客が西郷さんの銅像を写真に撮る。
そっか、ここにいてる人は観光客なんだ、じゃあ東京に住んでいる人はどこにいるんだろう、まったく人の流れがわからなかった。 道行く人が標準語で話す、みんながタレントのように見えるのであった。
続く
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2017年07月22日

真澄携帯小説2922話

こうへいは、バイトで貯めたお金を持って東京に向かう。
予め荷造りをして置いて、部屋を決めた段階で荷物を宅急便で送って貰う段取りをしておいた。
もともと荷物がないので引っ越し業者に頼まなくても宅急便で充分だった。
部屋を決めて荷物を送って貰うまでの間の荷物だけをカバンにつめた。
荷物といっても着替えとあとは契約の時に必要な印鑑などである、あとはスマホでだいたい何とかなる。 便利な時代である。
続く
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2017年07月21日

真澄携帯小説2921

パチンコ屋さんのバイトを続けようやく引っ越しの資金を貯めることができた。
賃貸マンションのサイトを見てみる。
東京のマンションは驚くほど高かった。
あまりに高いのでスマホがバグっているのかと思った。
決してバグっていない、現実である。
みんなこれぐらいの家賃を払っているのである。
その街に自分は出ていき、そして一旗あげようとしているのだ。
こうへい、は不安でいっぱいだった、しかしそれと同じ、いやそれ以上の期待に胸を膨らませるのであった。
続く
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2017年07月20日

真澄携帯小説2920

前に喫茶店や居酒屋でバイトをしたことがあったが、人間関係としては今回のパチンコ屋さんが一番働きやすかった。
喫茶店は、一番バイト歴がながい人がいて、その人がドンのような存在だった。
その人にかなり怒られた。
ただその怒る理由が正当なだけに、何も言い返すことがなかった。
仕事ができる人だったのだ。
お客さんの前で見せる笑顔と真逆の顔で怒られる。 それが怖くて仕方なかった。
お客さんにとってはいい店員さんだったのだろうが。
パチンコ屋さんは人の入れ替わりが多いのか、店長以外にドンはいない感じであった。
続く
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2017年07月19日

真澄携帯小説2919話

食堂の棚に、名前が書かれた一人用のおかずがおいていた。
その棚から、おかずをとりだし、ジャーからご飯をよそって食べるシステムになっていた。
おかずを作ってくれた方は、まかないを作るバイトの方だった。
一日二回、まかないを作りに近所からこられるらしい。
朝は前の夜に多目に炊いておいた、ご飯で冷蔵庫にある卵で卵ごはんをするか、納豆で食べる感じであった。
朝を食べない方もいるし、あらかじめコンビニで菓子パンを買っている人もいるようだった。
続く
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2017年07月18日

真澄携帯小説2918話

パチンコ屋さんの二階の食堂に向かう。
階段を上がると、そこは幾つかの部屋があった。
従業員の方が住んでいるのであった。
空いている部屋をのぞくと四畳ぐらいでテレビとベッドがあり、大きな荷物は置けないが本などを置ける棚などもあった。
そして共同のトイレと風呂がある。
そして、僕が今から向かう食堂があった。
食堂に入る。
食堂といっても、学食のような広いスペースではなく、家の台所といった感じであった。
続く
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2017年07月17日

真澄携帯小説2917話

最初は、おそるおそる
「ラッキースタートおめでとうございます」
と言っていたのが、3時間もすると
「ラッキースタートありがとうございま」
になっていた。
そして、バイトの先輩の放送を聞いてどんどん成長していった。
フィバーしている台の、隣の台がフィバーした場合は
「また来たー、二台続けて仲良くラッキースタート」 という風な技を使えるようになったのだ。
昼前から働きだし、夕方近くなった所で、店長からまかないがあるから食堂で食べてこいと言われた。
台の鍵を事務所に置き、二階の食堂に向かうのであった。
続く
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2017年07月15日

真澄携帯小説2915話

冷凍パック詰めの仕事は長く続かなかった。
次にやったバイトはパチンコ屋さんである。
近所のパチンコ屋さんに行って働きたいというと、履歴書を持ってきてと言われた。
一応書いて持ってきていますと出すと軽く目を通しオッケーとなった。
いつから働けるのと言われたのでいつでも大丈夫ですというと、じゃあ今から働ける?と言われ、オッケーですとすぐに働くことになった。
制服があり、下は自前なのだが、ちょうど黒っぽいズボンをはいていたので制服ともうまくあった。
面接から30分後には店員としてホールに立っていた。
続く
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真澄携帯小説2916話

パチンコ屋さんのバイトをすることになった。
業務はホールにいて、フィバーした台の玉を運ぶことだった。そしてフィバーした時に館内にマイクで放送するというのも業務である。
「フィバーキングコーナー、121番台、いっぴゃくにじゅういちばんだい、フィバースタート、おめでとうございま」
このように放送する。ポイントはいくつかある。数字は二回いう、二回目はイッピャクとかフタヒャクとか言い方を替えて放送する。
アリガトウゴザイマ、あえてここはスは言わないのだ。そこが放送の慣れ感を出すポイントなのである。ただスを最初は言ってしまうのである。
続く
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2017年07月14日

真澄携帯小説2914話

冷凍パックにお肉を詰めていくバイト、その作業する作業場が冷蔵庫のように寒い。
ダウンなど着て防寒すればいいかと思いきや、作業着が決まっている。
衛生面を考え、白い作業着をきなければならない。 普通の場所で作業する人も同じ作業着である。
特別に防寒用にしているわけではない、その作業着を着て作業をする。
寒くて仕方なかったが、隣の人を見ると平然とした顔で作業している。
今まで自分は根性や忍耐力がある方だと思っていたがまだまだなことに気づいた。
続く
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2017年07月13日

真澄携帯小説2913話

とにかく有名になりたい、東京に行きさえすればチャンスがあるんじゃないか、そう考え、東京行きを決めるのであった。
東京行きを決めてからはバイトの日々である。
引っ越し代金、部屋をかりるための敷金、礼金、洗濯機や冷蔵庫など買わないといけない。
なるべく高い自給で働きたかった。
そこで見つけたのが、冷凍パックにお肉をつめるバイトである。
作業を巨大な冷蔵庫の中で行うのであった。
続く
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2017年07月12日

真澄携帯小説2912話

そんな僕は、徳島から東京に状況することにする。 まわりの友達は就職するのと、専門学校や大学に就職するのに別れた。
今までクラスでみんな高校生だったのが、数ヶ月後には大学生になっている者と、社会人になっている者にわかれる。
僕は正直、早々と進路を決めている友達を見て、その決断力と、本当にそれでいいのかという疑問を持ち合わせていた。
大学に行くのはいいが何のために大学に行くのか、その価値を見いだせなかった。大学に行こうとしている友達にそれを言うと、それは大学にいって見つければいいと言われた。
道を聞くときに、交番に行けばいいがその交番が見つからない。交番を見つけてから行き先を見つけることになる、それなら直接見つければいい、そんな感覚を覚えてしまうのだ。
続く
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2017年07月11日

真澄携帯小説2911話

芸能界に入りたい、そうは思ったもの、自分が何をやりたいかというのが明確ではなかった。
考えてみれば得意なことが特になかった。
学校の成績は悪くもないが取り立ててよくもない。 クラブもやっていたが、いけて三回戦という感じであった。
クラブは陸上部だったが専門は400メートル、運動会の時に選手リレーに選ばれるがサッカー部の速いのに負けてしまうのであった。
ギターを買ってみたけれど、コードは3つしかおさえれない、Fコードをおさえられず挫折してしまいそのギターは捨てることもできず、部屋でしっかりスペースをとるのであった。
続く
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2017年07月10日

真澄携帯小説2910話

安川は並んでいる一冊を手に取ってみた。
背表紙には「元弥さちこ リバーハウス」と書いてあった。
最初から読んでみる。
「川が近くにないのにリバーハウス、何故そんな名前がついたかわからないマンションに僕は住むことになる。
僕は徳島の片田舎から東京に出てきたのだ。
徳島の片田舎、東京からみるとだいぶ田舎になるのだろう。
東京に出てきた理由は、芸能界に入りたかったのだ。
プロ野球選手、芸人、アイドル、政治家、カリスマモデル、有名塾講師、なんでもいい芸能界に入りたかったのだ。
東京に出てきて気づいたのは芸能界という、そういう界、いや会は存在しないのだ、テレビの中にあるみんなが集まっている芸能界というものは存在しないのだ。
ただどうして芸能界に入りたいのだ。
続く
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2017年07月09日

真澄携帯小説2909話

さちこさんはそんな安川の視線なんかおかまいなしに
「そこに並んでるの私が書いたの、良かったら読んでみて」
書斎に並んでいる本に目をやると背表紙に、元弥さちこという名前が記されていた。
さちこさんは、本気の作家なんだ、ひょっとするとこの大きな家を建てたのも印税というやつか、もっというと、こんなキャンピングカーでお酒と料理を作りにくる自分を普通の人が呼ぶわけがない、なるほどそうだったのかと、知らない道を歩いていて知っている道に出てきた時のような気分になった。
続く
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