2017年07月09日

真澄携帯小説2909話

さちこさんはそんな安川の視線なんかおかまいなしに
「そこに並んでるの私が書いたの、良かったら読んでみて」
書斎に並んでいる本に目をやると背表紙に、元弥さちこという名前が記されていた。
さちこさんは、本気の作家なんだ、ひょっとするとこの大きな家を建てたのも印税というやつか、もっというと、こんなキャンピングカーでお酒と料理を作りにくる自分を普通の人が呼ぶわけがない、なるほどそうだったのかと、知らない道を歩いていて知っている道に出てきた時のような気分になった。
続く
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2017年07月08日

真澄携帯小説2908

「いろんな本があるんですね」
安川は本が並んだ本棚を見る。
本を書くときに参考にされている本なのかもしれない。
眺めていくと
「そっちはみないでね」
どうやらそこは、さちこさんのプライベートな空間なのだろう。
そう言われるとみたくなるのである。
見たくて見たくて仕方ない。
振り向くついでに視点をわざとあわさないようにしながら、でも視界にいれるように見るのであった。
続く
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2017年07月07日

真澄携帯小説2907

奥の部屋に通される。
その部屋には書斎のようであった。
机を見ると何枚か書かれた原稿用紙があった。
安川は思わず聞いてしまった。
「何か書かれているんですか?」
「そうね。書いてるわね」 「何を書いているんですか?」
「うーん、いろいろ書いているわよ。小説も書くし、エッセイもかくし、たまにビジネス書みたいな物も書くかな。持ち家が得か、賃貸が得かみたいな、そんな本も書くかな」
さちこさんはこの書斎でいろいろ書かれているらしい。
続く
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2017年07月06日

真澄携帯小説2906

さちこさんの後をついていくのだが、さちこさんの後ろ姿が美しかった。
本当に美しい人は後ろも美しいんだと思った。
あと、さちこさんは自分のことを信頼してくれてるんだと思った。
後ろを見せるということは危険である。
背後をとられるとかそういう使い方をされるから、その背後をとらせるということは信頼を得るということだと思った。
さちこさんの後ろについて廊下をあるくのだった。 続く
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2017年07月05日

真澄携帯小説2905

さちこさんはそれを食した時に安川の目をじっとみて言った。
「あなたに見て貰いたいものがあるの」
「はい」
「ついてきてね」
大きな家のさらに奥に進む。
家は奥にまだだいぶ続いている。
京都の家はその間口の大きさによって税金をかけていたため、鰻の寝床といわれるように奥に長く作られている家が多い。
中に庭があったりする。 さちこさんの家も同じく中に庭があった。
その庭を通り、さちこさんの後をついていくのであった。
続く
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2017年07月04日

真澄携帯小説2904

この大根の酢漬けの一品を気に入ってくれたようだ。
次の一品はヒラメの刺身である。
ヒラメの刺身をポン酢で合わす。
合わすポン酢は大阪黒門にある老舗の河豚屋さんの自家製ポン酢である。
黒門に行った時に買いだめしておいたのである。
ヒラメをその黒門のポン酢でいただく。
そして京都の酒蔵の純米大吟醸で合わすのであった。
純米大吟醸は米と米こうじだけで発酵させたものであり、その中でも米の中心だけを使うという日本酒の高級なものである。
続く
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2017年07月03日

真澄携帯小説2903

安川はさちこさんに提供する一品目を出した。
一品目は大根のいわゆる千枚漬けである。薄く切った大根を甘酢と唐辛子で漬け込んであるのである。
その大根の千枚漬けに京都の七味をふる。
この京都の七味は山椒が入ってある、その山椒がいい仕事をするのだ。
お酒は日本酒である。
純米酒の火入れをしていない生酒、水を足していない原酒を出す、その中でも搾った時に一番最初にとれる、あばらしりである。
白濁した色が特徴的である。
続く
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2017年07月02日

真澄携帯小説2902

安川は聞く。
「合わすのに、酒に料理を合わすのか、料理に酒を合わすのか、どっちがいいんですか?」
さちこさんは優しく答えてくれる。
「それはどっちでもいいのよ。ただ一番難しいのは、軸を合わすことで組み立てていくことよ。いわばドラマでいうとダブル主演みたいなものよ。かなり難しいけどこれが完璧ならとんでもなく美味しい料理になるのよ」
なるほどと安川は思うのであった。
続く
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2017年07月01日

真澄携帯小説2901

さちこさんは酒と料理の関係についても話してくれた。
料理を軸におき、お酒を合わせていく方法と、お酒を中心に料理を合わせていく方法があると思うの。
今日はこの刺身を食べたいと思いそこに日本酒を合わす、今日はこの日本酒が飲みたいと思いそこに刺身をあわす、同じ日本酒と刺身の組合わせだけども違うと思うの。
安川はなるほどと思うのであった。
続く
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2017年06月30日

真澄携帯小説2900

さちこさんが話してくれる。
「お酒って、米や麦やサトウキビなどそういう炭水化物や糖分を麹や菌で発酵させる。それをそのまま飲んだり、搾ったり、蒸留させたりするの。それをさらに熟成させたりする。それが世界中、それぞれ発達しているの。ウイスキーならウイスキーをシェリー酒の樽で熟成する方法もある、きりがないほどの種類が存在する、それに食べ物をあわせだすとさらにとんでもない組み合わせになる、だから面白いんでしょうね」
安川はなるほどと感心して聞くのであった。
続く
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